★徒然スケッチ紀行♪セルフヒストリー突然の想い出話し…人は記憶の中で生きていくのだろう
2020.8.19 selfhistory-walkingsketch-kurondopond
ダイジェスト動画
・お題は…
[:contents]
くろんど池
くろんど池…どうやらこの池に想い出があるようだ。
小学校の遠足か?
家族旅行か?
あるいは両方か?
おぼろげでゴッチャになった記憶がかすかにある。だけどこの池の名前はよく覚えている。
大学生のころバイクで何度かここに来た。そのときすでに子どものときのくろんど池の記憶はあいまいであった。ただ、なぜかこの池と父のことがつながっている。くろんど池と聞くと父を思い出すのだ。
父はワタシが中学1年のときに他界した。飲んだくれの父は最後の夏、酔っぱらったままワタシとワタシの兄とで大ゲンカとなった。
その夏のケンカは親子の関係を修復することなく冬を迎え父は逝った。
飲んだくれの父が亡くなり、母がその苦労から解放されて、いや自分たちも解放されてホッとしたのを覚えている。
親が死んだというのに、ホッとしている自分はなんて冷たい人間なんだと思った。
そのときワタシの心の中に大きな冷たい塊が生まれた。その冷たい塊がときおり周りの人をキズつけるような気がして、その塊を外にさらさないよう鉄のヨロイで囲った。
実際のところは何度も人をキズつけていただろう。
くろんど池と聞くと父を思い出す。思い出すときイヤな感情はともなわない。むしろどこか懐かしく安らぐ匂いがかすかにする。いったいどんな思い出があったのだろうか? 母も亡くなって15年は過ぎる。今となってはその思い出を知るすべはない。
父との思い出はイヤなことの方が多い。確かに楽しい日々もあったが、思い出すのは昼間から寝ている姿、ビールを飲みながらテレビでプロ野球を見ている姿、夕方から自転車で飲みに行く姿、ケンカして家を飛び出す母の姿…。
ワタシたち兄弟と和解することもなく逝った父は何を考えていたのだろう。
父が亡くなってずいぶん過ぎてから、母が言った。母の夢に父が現れたのだ。母は父にお帰りと言い、帰ってきたら子どもたちが喜ぶ、よかった…と夢の中で父に言ったのだ。
母の夢の中では優しい父だったのだろう。優しい父として夢に現れるだけの、その優しさを現実に知らないまま、ワタシは父と別れたのだ。
知らないというより子どもの頃のワタシは、その優しさに気がつかなかったのだろう。もっと言えば父の苦悩に満ちた生い立ちを後に知り、ワタシたちのことを考えながらどうしようもなくその気持ちの置きどころがわからない不器用な人だったのかと思うようになった。
自分も歳を重ね親となり、やっと見えてきたことである。酒浸りの愚かな父だと思ったこともあったが、自分もさほど賢くもなく愚かである。
あれから50年近く過ぎ、ようやくあの夏のケンカをおさめることができるように思う。
暗くてイヤな思い出が多い父なのに、なぜか、くろんど池と聞くと、切なく懐かしい気持ちがかすかによみがえる。
そのくろんど池を再び車で訪ねた。ここに来るのは何年ぶりのことか…
水彩で風景スケッチ完成、16分…
△ ターレンス 90×140mm 水彩&ボールペン
公園の駐車場に車を停める。
少し歩くと売店でばあちゃんたちがワタシを呼び込む。なんとなく、やっとこさ今日のお客さんが来たよ…みたいな空気を感じてしまい、お仕事ご苦労さま&ばあちゃんたちの笑顔に応えたい的気持ちと、暑くて冷たいモノを食べたい衝動でソフトクリームをたのむ。
そして黄昏どき、釣り人の姿を描き、その後公園のベンチでひとりウクレレを弾く。
スケッチ俳句 その 1…
ここで一句、へなちょこ俳句17音の言葉遊び
夏の夕、釣り人ふたり池の影
黄昏スケッチ
池近くの集落を車で散策する。
水彩で風景スケッチ完成、10分…
△ ターレンス 90×140mm 水彩&ボールペン
くろんど池周辺にはイイ景観がありそうだけど車を停める場所がなかなか見つけられなくて残念、路駐して車内から急ぎで描いた。
スケッチ俳句 その 2…
ここで一句、へなちょこ俳句17音の言葉遊び
▽ いただいたのは抹茶ミックスでした。
自分の想い出を書くときは、どこかで誰かのカサブタをはがしてしまうのではと、ナイーブな気持ちになるのです。
それなら書かなきゃイイのになぜ書くのでしょうか? 自分でもよくわかりません。
WC事情
くろんど池にあります。
…おしまい
こっちも見てね…
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