つれづれ本の旅 ☆ この本は絵を描く人に限らず、アスリート、何かを教える人、いろんな人の力になる〜
2022.9.18 Readingguide06-bottouryoku
☆ 風景画像は奈良の西ノ京、薬師寺近辺…
・お題は…
没頭力
この本のことをシンプルに言うと…
- ワクワクして目がさめて、夜満ちたりて眠る…そんな幸せな日々を送るには没頭すること
…ではその没頭ってなに?
遠足の前日のような
人生におけるラスボス「なんとなくつまらない」や「うっすらとした不安」に立ち向かう方法。その答えは没頭力だ。
…吉田尚記 著 / 没頭力 の帯より
「ワクワクして目が覚めて、夜満ち足りて眠る」とは予防医学で言う「幸せ」のカタチだそうです。著者は「人生を上機嫌で過ごす」こと…とも言ってます。
この言葉を聞いて思い出すのは、子どものころの遠足、ワクワクしすぎて朝早く目が覚め、1日を終えると楽しさと疲れでグッスリ眠る、続きを夢みながらね。
大人になって、そんな日が少なくなってきたなあ…それを再び取り戻すヒントが没頭力、ワタシの感覚では夢中になるってことかな。
誰もが上機嫌
その「上機嫌で過ごす方法」を論理的に考えようというのがこの本。
論理的っていうのは別の形で言うと、誰にでも再現できる形で、ということです。
…吉田尚記 著 / 没頭力より
精神論でなく論理的に考えるってすごいなあ…でね「没頭」っていうのは、海外でも研究されているそうです。特にスポーツの分野でね。
フロー
スポーツ選手の「ゾーンに入る」とか「ランナーズハイ」などの「フロー」のことです。「フロー」=「没頭」なのです。
例えば、ときおり超人的な能力を発揮するアスリートがいます。
- カヌーで何十メートルもの落差のある滝を落ちるように下ったり
- 超高層のビルからビルへと綱渡りしたり
- 断崖絶壁の雪山をスキーで滑降する
…などなど、どれも一歩間違えれば生命を落とす危険なことをやっちゃう人たちです。
ありえないことをやっちゃうときの精神状態、それが「フロー」です。逆に言えば「フロー」にならないと大事故になるって状況であります。そんなハイパフォーマンスを生み出す「フロー」、その状態になるしくみが研究されているのです。なんか全集中みたい。
ジャマする大人
「フロー」=「没頭」を生み出す条件がこの本では紹介されています。でね、その「没頭」をジャマする人たちもいるそうです。
「没頭」するには、自分の好きなことが大きく関係します。マンガ好きの人はいくらでもマンガ読めるしそれは苦にならない。身体を鍛える人は筋肉はウソをつかないと言って、とことこんいじめるかのように身体を鍛える。
それはそれでイイんだけど、自分の好きなことをして生きていきたいと夢を語ったとき、
「いつまでも子どもじゃないんだから、好きなことだけで生きていけるわけない」と没頭や夢を否定する大人がいるのです。
悔しいけどワタシは否定する大人のようです。没頭するのはイイと思うしワタシも没頭することはあります。でも好きなことだけをして生きていけるのか?…と問われると手放しで生きていけると断言できないワタシです。
「現実は甘くない、好きなことで生きていける人は、ほんのひと握りの人たちだ」なんて言っちゃうでしょう。それはなぜ?
嫉妬
ワタシが好きなことで生きていないからです。自分にできないことを他人がするのに嫉妬しているのです。嫉妬して他人の夢をジャマしている…ダメ大人なのです。
でもそんなワタシも少し変わってきました。それは…
- 好きなことをして生きようとしている人たちとの出会い
- 心が折れたときの経験
- 好きなことしてるワタシを応援してくれる人たちの存在
…他、さまざまなことが重なって変わってきました。
好きなことで生きることを実現している人たちは、若い人の夢を否定しません。そんな人たちは…
「現実は甘くない。好きなことで生きていくにはそれ相当の苦労はあるけど夢はかなう」
…と答えているのでは?
没頭の条件
少し話が脱線しました。話を本に戻しましょう。没頭モードになるには、いくつかの条件があります。
- ゴールとルールがはっきりしていてフィードバックがはやい
- 目の前のことに100%集中していること
- 無意識に体を動かしていること
- 自分というものをなくしていること
- 時間の感覚がなくなっていること
- その場の状況を自分でコントロールできていること
- その行動自体が目的になっていること
- 自分の持っているスキルと課題のバランスがとれていること
吉田尚紀 著 / 没頭力より
一つひとつをここでは取り上げませんが、今まで自分が何かに没頭しているとき、上の条件が当てハマってました。これらの条件は自分の経験と照らし合わせると納得できるのです。さらに…
- 自分なりのルールを決める。
- 結果が得られるまでのスパンを短くする。
- 自分のスキルより4%難しいことに挑戦する。
吉田尚紀 著 / 没頭力より
著者はこの3つの条件にしぼりこんで、没頭するための方法を語っています。
没頭モードを手に入れよう
イチローさんは引退会見の中で、夢中になれる好きなことを見つけることが大切…と語っています。確かにその通りだと思います。没頭力の著者もそれを否定しません。そしてさらに一歩踏み込んで、どういうときに没頭できるのかを論理的に説明しています。ザックリ大胆に言うと、条件がそろえば好きでも無いことにでも没頭することは可能なのです。
没頭できる好きなことを見つける…のが本書の本題ではありません。没頭モード、没頭に入るスイッチを手に入れる…それがメインテーマだと思います。
没頭は不安から生まれる
満ち足りた日々を送るための没頭、意外なことに不安から始まるそうです。不安や緊張は、何か大切なことに直面しているときに生まれると言います。その人にとってどうでもイイことから不安や緊張はうまれません。大切なことだから失敗したらどうしようと不安がうまれ緊張するのです。そして大切なことから逃げるわけにもいかず、しかたない…やるしかないと開き直ると没頭モードに入っていくのだそうです。
決勝のかかった大一番にのぞむアスリート、大舞台で大トリを務めるパフォーマーなどはその例ではないでしょうか。
自分にとって価値あるものに対して不安が生まれる。そして、そこに立ち向かわないと没頭は訪れない
吉田尚紀 著 / 没頭力より
不安 → 開き直り → 没頭
この順番で没頭に入り、これは…
絶望 → 開き直り → 希望
…でもあります。
逆に難しいことをしたくない、新しいことをしたくないという安定志向は没頭から遠ざかって行きます。
吉田尚紀 著 / 没頭力より
没頭力
ひきこもりは「なんとなくつまらない」や「うっすらとした不安」という人生におけるラスボスにやられたときの姿なのかもしれません。ひきこもりから抜け出すのに効果的な方法としてニコ生が紹介されてます。それはどういうことか…
まあいろいろ書きましたが、やはりこの本、一読するのをオススメします。
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没頭力
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…おしまい